映画シリーズ「ダークナイト トリロジー」感想
作品概要
感想 ※ネタバレを含みます
第1作『バットマン ビギンズ』
タイトルに「ビギンズ」とあるように、どのようにしてブルース・ウェインがバットマンとなって悪と戦うに至るのかを描いた、始まりの物語。「幼い頃に両親を強盗に目の前で殺され...」程度の背景は、他のバットマン映画を観て知っていたので、序盤の忍者修行にはちょっと面食らいました。
修行を終えると、いよいよ舞台はゴッサムシティへと移り、犯罪と汚職だらけの街を救うためにブルースは動き出します。執事アルフレッド、警察官ジム・ゴードン、科学者ルーシャス・フォックスといった、ブルースをサポートする面々がとても素敵で印象的でした。
しかし終盤。
「おまえを殺す気はない。たが救う気もない」
このような捨て台詞を残して去るバットマンは、直に殺してはいないけれど、敵をただ見殺しにしたようにしか映らず、黒幕との対決シーンには違和感が残りました。
第2作『ダークナイト』
ゴッサムシティを犯罪から救うために奔走するバットマンの前に現れた不気味な男ジョーカー。彼らの衝突を描いたシリーズ第2作目。タイトルはバットマンを指す言葉だけど、本作はブルースだけではなく、ゴードンやデンド、そして市民全体をも巻き込んで、街全体がジョーカーのもたらす混沌に翻弄されつづけ、人間の語る「正義」や「倫理」の脆さをつきつけてきます。まさにジョーカーの独壇場でした。終盤は、外野の私までもがジョーカーの掌の上にいるような心地でした。
「得意なことは決してタダではやらない」
ジョーカーのこの台詞は覚えておきたい。
第3作『ダークナイト ライジング』
シリーズ完結作。タイトルにある「ライジング」という言葉通り、「犯罪者に恐怖を与える闇のヒーローとして生まれたバットマンが、絶望の蔓延したゴッサムシティを救った光のヒーローとして復活する」という結末は、『ビギンズ』から始まったブルース・ウェイン(バットマン)の物語の帰結点として、とても美しくて好きなんですが.........上映時間165分と長尺なのにドラマパートは所々で生じる疑問がノイズになり、アクションパートはいまいち盛り上がりに欠けているように感じ、単体の映画としてはシリーズの中で最も退屈でした。